虫歯予防に有効な3つのガムと効果を引き出す2つのポイントを解説

【執筆・監修】菊地伸仁

ファミリア歯科 院長

ガムのイメージ

「ガムって虫歯予防に本当に効くの?」
と少し疑いながらも、虫歯の予防はやはり大事なので、

・本当のところガムにどこまでの効果があるのか?
・どのガムが一番おすすめなの?

と思っている方も多いですよね。

実は科学的にも、きっとあなたが耳にした事があるキシリトールガムやポスカガム、リカルデントガムは虫歯予防に対して有効とされています。

ただ1つ認識していただきたいのが、ガムはあくまでも虫歯予防のための健康補助食品、いわばサプリメントであり、ガムさえ噛めばOKということではないということです。

虫歯予防の基本はやはり歯に良い食生活を送ることや丁寧な歯みがきです。それを補助する意味合いで予防効果の高いガムを選択し正しく摂取すれば、今よりさらに虫歯に強い口内環境を整えることが可能です。

この記事では現役歯科医師が、虫歯予防に特に効果的なガムをご紹介し、より予防効果を高めるための噛み方や摂取量・注意点までわかりやすく解説していきます。

この記事を読めば、誰でも最適な虫歯予防ガムを選択し、摂取のコツが簡単にわかりますので、ぜひ役立ててくださいね!

1. 虫歯予防のガムの働き

そもそも虫歯予防に効果的と言われるキシリトールガムやその他のガムについてどれくらい効果があるのか?
本当に効果があるのかと疑問に思っている方もいますよね。

まずは虫歯予防におけるガムの効果をみていきましょう。

1-1. 虫歯の原因になる酸を虫歯菌(ミュータンス菌)に作らせない

 虫歯予防のガムに使われている甘味料をエサにして虫歯菌は酸を作れないので虫歯の原因とはなりません。

1-2. 唾液の分泌が促進され、自浄作用や中和作用が働く

  • ガムを噛むことで、たくさんの唾液が出て、歯垢(プラーク)や食べかすが洗い流される自浄作用が働きます。
  • ガムを噛むことで、多く唾液が出て、食後の酸性唾液が中和されます。中和されると唾液が行きわたる範囲では虫歯ができにくくなります。

1-3. キシリトールは虫歯になりにくい虫歯菌(ミュータンス菌)の割合を高める

キシリトールガムを毎日習慣的に噛むと虫歯菌全体の中では虫歯になりにくい虫歯菌の割合が高くなります。このことはキシリトールが持つ特別な働きといわれます。

1-4. 歯の再石灰化を促す

ガムをしっかり噛むとしっかり唾液が出ます。実は唾液そのものが「再石灰化」を常に行っています。

脱灰と再石灰化

※図はグリコ健康科学研究所―初期むし歯の再結晶化を促す POs-Ca(リン酸化オリゴ糖カルシウム)より引用

再石灰化とは食後のすかすかになった歯の表面に対して、唾液がカルシウムイオンとリン酸イオンを供給し、歯の表面の「エナメル質」の結晶を再形成し、元の健全な歯の状態に戻す現象です。

再石灰化されると歯は健全な状態を保ちます。

さらに、ガムに含まれる特定の成分は、再石灰化力を増強してくれます。ここではその成分について触れておきますね。

虫歯予防のガムに含まれる再石灰化に効果的な成分

キシリトール

キシリトールはカルシウム成分と結びつく性質があるので歯のカルシウムを補って再石灰化を促します。多くのガムにふくまれていますが、最も高濃度に入っているのがキシリトールガム(ロッテ)の歯科医院専売品の物です。甘味料のほぼ100%がキシリトールです。

いちご※キシリトールは糖質甘味料に分類される、イチゴやブロッコリーなどに含まれる天然にも存在する甘味料です。

CPP-ACP(カゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体)

CPP-ACPには再石灰化を促すリン酸カルシウム高濃度で吸収されやすい状態にします。リカルデントというガムに含まれる成分です。

CPP-ACPに含まれるリン酸カルシウムは、歯の表面のエナメル質の内側に浸み込みやすい性質を持っています。
したがって、CPP-ACPは、虫歯の初期症状「脱灰」を抑制し、歯の再石灰化を促し、虫歯菌に対する抵抗力を強化します。

 Pos-Ca(リン酸オリゴ糖カルシウム)

Pos-Ca(ポスカ)は唾液に非常に溶けやすいカルシウム成分です。歯の再石灰化を促し初期虫歯を修復し「再結晶化」します。ポスカ(グリコ)というガムに含まれる成分です。

 再結晶化とは元々の歯の結晶成分「ハイドロキシアパタイト」の構造と同様なカタチに再石灰化することです。

*初期むし歯を再結晶化より引用

 世界初の初期虫歯の再石灰化、再結晶化機能を持つため、この成分は近年特に注目されています。ちなみに世界7カ国で特許取得済です。

 再石灰化に関する働きを見ると、高度な初期虫歯修復の働きまで持っているPos-Ca が一歩優れていますね。

2. 虫歯予防に効果が期待できる3種のトクホ(特定保健用食品)ガム

ここでは虫歯予防に対して特に効果的なガムを3種ご紹介します。

紹介するガムを選んだ基準は主に以下の2点です。

・虫歯予防に対して効果的な成分が十分に含まれていること
・消費者庁の特定保健用食品の許可食品であること

市販には発売されていない商品を紹介しています。Amazon等のネットショッピングやお近くの歯科医院で購入が可能ですのでぜひ取り入れてみてください。(ただし、歯科医院で購入希望の場合は商品有無をお問い合わせの上お求めください。)

2-1. ポスカ・エフ(POs-Ca F) (グリコ)        、

ポスカ・エフポスカ・エフ(POs-Ca F) パウチタイプ 100g 各種

 

ガムの名の通り「ポスカ」と呼ばれる唾液に非常に溶けやすいカルシウム成分が多く含まれるガムです。

ポスカはまだ穴が開いていない初期のむし歯を再石灰化し、再結晶化しやすい口内環境に整える成分のことで、この成分が多く含まれているのが特徴です。

初期むし歯の再石灰化だけでなく再結晶化まで可能なこのガムは近年特に注目を集めています。

歯科医院専売品である「ポスカ・エフ」には緑茶エキス由来のフッ素成分も配合してあり、非常に高い虫歯予防が期待できますよ。

味は、ストロベリー、ペパーミント、マスカットの3種類あります。

ポスカ・エフは歯科医院専売品なのでお求めは歯科医院にお問い合わせいただいた上でのご購入になりますが、amazon等のネットでも買うことが可能です。

ちなみに、ポスカ・エフの市販品バージョンもあり、「ポスカ」という名前で売られています。こちらにはフッ素は配合されていません。

 

 2-2. キシリトールガム(ロッテ)

キシリトールガム

【歯科専用】キシリトールガム ボトルタイプ 90粒入り 各種 

 

 

次のおすすめしたいガムは、ロッテのキシリトールガムです。

ポイントはなんといっても甘味料中キシリトールの含有量が100%という点ですね。

毎日習慣的にキシリトールを摂取すると、口内の虫歯になりにくい菌の割合が高まります。

つまり「虫歯になりにくい口内環境を築く」という点で、キシリトール100%のこのガムは最も効果を発揮します。

また、フノランやリン酸一水素カルシウムが配合されており、これらはキシリトールとの相乗効果で再石灰化を促進します。

歯科専用のこのガムの味は、マスカット、アップルミント、クリアミントの3種類あります。

なお、ガムがまだ噛めない小さなお子様やガムの苦手な方には、キシリトールタブレットという製品も同じくロッテからトクホの食品として発売されています。

市販品にはロッテのキシリトールガムを含めてキシリトールの含有量が100%のものは販売されていないので、キシリトールの効果を実感されたい方はamazonやお近くの歯科医院にお問い合わせの上購入してみてください。

 

2-3. リカルデントガム(モンデリーズジャパン)

リカルデントガム 歯科医院専用 リカルデントガム 140gボトル

 

 

最後にもう1種類、リカルデントガムを紹介します。

このガムには有効成分CPP-ACP(リカルデント)配合されています。

CPP-ACPは、歯の脱灰を抑えて、再石灰化や石灰化部位の耐酸性を強化する働きがあるので、このガムを噛み続けると歯を丈夫で健康にする口内環境を整えてくれます。

歯科医院専用のリカルデントの味には、グレープミントとグリーンミントがあります。

市販のものと歯科医院専用のリカルデントガムを比較すると、有効成分のCPP-ACPが市販品より2倍含まれている歯科医院専用のリカルデントガムをおすすめします。

お近くの歯科医院にお問い合わせの上お求めいただくか、amazonでもお買い求めになれます。

ポスカ・エフ キシリトールガム リカルデント

キシリトール効果

☆☆☆
約30%キシリトール配合
効果はやや期待できる

☆☆☆☆☆
100%キシリトール配合
最も効果あり


少ししか入っていません
ほとんど期待できない

再石灰化能

☆☆☆☆☆
初期虫歯も再結晶化

☆☆
再石灰化能はやや弱め

☆☆☆☆
CPP-ACPが脱灰を修復、歯の抵抗力を強化

おすすめ度

☆☆☆☆☆
初期虫歯のある人はこれ一択!

☆☆☆☆☆
キシリトールで虫歯菌の威力をダウンさせる

☆☆☆☆
継続して噛むと歯に輝きが出る

 

3. ガムの効果を引き出す2つのポイント

3-1. 食後なるべく早めにガムを噛みます

食後は口内環境が酸性に。酸性は虫歯になりやすい状態なので、ガムはできるだけ早めに噛み、口内環境を中和させましょう。

3-2. 1日3回、1度につき2粒、20分間噛みます

一度に2粒の場合、1日3回毎食後噛んでみましょう。20分間しっかり噛んでくださいね。

この回数は効果を期待する噛み方の目安です。しっかり噛んで唾液を口内に満たしましょう。

忘れることもあるかもしれませんが、虫歯のないキレイな歯を目標にぜひ頑張ってみてくだい。

4. 虫歯予防のためにガムを利用する際の注意点

4-1. 一度に大量に噛まないようにすること

ガムの中に含まれるキシリトールなどの甘味料はお腹を緩くする作用を持っています。一度に大量に摂取するとお腹が緩くなる場合があるので要注意です。

4-2. リカルデントは牛乳アレルギーのある方は禁忌

リカルデントの再石灰化に有効な成分CPP-APPには牛乳由来のたんぱく質が含まれているため牛乳アレルギーの人は噛まないようにしましょう。

 5. 虫歯予防のために必要な4つのこと

ガムさえ噛んでおけば虫歯にならないわけではありません。むしろガムに過大な期待は禁物。ここでは虫歯予防の基本を押さえておきましょう。ガムはあくまでも補助的な役割です。基本を大切にしてこそ、ガムの効果がしっかりと発揮されます。

5-1. 歯にとって望ましい食生活習慣の確立

朝昼夕の3回の食事のほか、一日に何度も甘いものを食べたり飲んだりしていないでしょうか?

回数の多い間食、いわゆるだらだら食いは口内環境を酸性のままに。その状態が最も虫歯を作りやすい口内環境です。どんどん歯の表面が溶けて脱灰し、虫歯が発生してしまいます。

間食するのであれば、一日一度までが歯に対する思いやりです。

5-2. フッ素(フッ化物)の応用

フッ素入りの歯みがき剤の使用、フッ素ジェルやフッ素洗口剤などフッ素を上手に取り入れることが歯の質の強化につながるため虫歯になりにくくなります。フッ素の活用は虫歯菌の繁殖抑制にもなります。

緑茶にもフッ素は含まれています。糖分の多い清涼飲料水をお茶に変えて虫歯の予防につなげてみましょう。

5-3. ていねいなブラッシングを意識して行う

歯は思った以上に複雑な形をしています。上手にみがくのはなかなか難しいものです。歯の表面にまとわりつく歯垢(プラーク)は、虫歯の原因になります。

歯垢(プラーク)は歯ブラシを使ってできる限り丁寧にみがき落としましょう。

丁寧にみがいても歯の表面の歯垢(プラーク)は6割ほどしか落とせないと言われていますので、デンタルフロスや歯間ブラシを用いた歯垢(プラーク)除去が必要です。

5-4. 定期的に歯医者さんで健診を受ける

 虫歯の予防を意識した生活を送っていても気付かぬ間に虫歯ができ進行しているということもあり得ます。半年に一度は歯科健診して歯の状態を確認しましょう。



 6. まとめ

虫歯の予防に生かせるガムがいくつかあります。それぞれに特徴があるので、理解してうまく活用してみてください。

本来虫歯の予防のためには、食生活習慣に気を付け、適切なブラッシングを十分に行うことが重要です。それらをきちんと行った上でガムを噛むと期待する効果が得られます。

虫歯に悩まされることのない歯はとても良いものです。お口の健康は幸せな毎日を送るうえでとても大切なこと。ガムをきっかけに予防歯科活動に関心を持っていただければ幸いです。

歯のお悩みはファミリア歯科にお気軽にご相談ください

ファミリア歯科では、「予防に優る治療なし」をコンセプトに診療に取り組んでいます。

〜ファミリア歯科の歯に対する取り組み〜
1 よく噛めて、長持ちして、トラブルの発生しにくい治療法の選択
 2 気軽に相談できる重くない医院の雰囲気作り 
3 治療完了後の予防・メンテナンスの重要性を丁寧に説明

歯科治療は重症だと治療が長期に及び大変だと思いますが、
しっかりスタッフ一同、診療に取り組ませていただければ幸いに存じます。